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2009/05/04

鎌倉なんでもベスト3 -ユニークな伝説-

鎌倉なんでもベスト3、其の五は「ユニークな伝説」。

古い歴史を持つ街、鎌倉。お寺や神社、民間に伝わる伝説や物語にも、古い歴史を持つ街ならではのとってもユニークなものがたくさんあります。
その中でも、とくに面白いものを3つご紹介します。

◆ムジナ塚の話(瑞泉寺Mujina
早春の梅、夏の芙蓉、晩秋の紅葉、冬の水仙。。。と四季を通じて境内に花が絶えることのない、鎌倉有数の「花の寺」、瑞泉寺。このお寺の鐘楼のそばに、寺を訪れる人もまず気づくことがないほど、ひっそりと祀られているのが「ムジナ塚」。小高く土盛りされた塚の上に、どっしりした体形のムジナ君の像が座っています。

「ムジナ」というのは、「アナグマ」もしくは「タヌキ」のこと。アナグマとタヌキは外見が少々似ていますが、アナグマは鋭い爪を持っていて自分で巣穴を掘るのに対して、タヌキは自分では穴を掘りません。なので、タヌキはアナグマが掘った巣穴の入口あたりに居候させてもうらうことが多い。「同じ穴のムジナ」というのは、このことが語源になっているようです。

さて、瑞泉寺のムジナ君には、どんなお話があるかというと。。。

むかし、むかし、瑞泉寺には堂守(どうもり)の夫婦が住んでいました。そこへ毎晩、近くの山に住むムジナが老人の姿に化けて遊びにきました。
瑞泉寺は鎌倉の奥にある寺で、堂守夫婦はとても寂しい暮らしをしていました。なので、毎晩訪ねてきてくれる老人をありがたく思い、まさかムジナが化けているとは思わず、食事やお酒を振舞ってもてなしました。

ある晩、いつものように老人が訪ねてきたので、堂守は老人にお酒をすすめました。老人はお酒を飲んで、楽しそうに話をしていましたが、この日はいつもよりも少々お酒を飲みすぎてしまったようです。やがて、老人は酔っ払って居眠りをはじめました。するとどうでしょう。いびきをかいて眠る老人に尻尾が生え、ひげが生え、みるみるうちに老人はムジナの姿に変わっていきました。
驚いたのは、堂守です。「おじいさんだと思って親切にすれば、悪いムジナめ」と言って、かたわらにあった焼け火箸で、ムジナを突き殺してしまいました。
しかし、堂守は後になって後悔しました。たしかに、人をだましてお酒やご飯をただ食いする悪いムジナだったけど、寂しい我々夫婦を随分楽しませてくれたではないか。ムジナが死んで訪ねてこなくなってからは、夜が一層寂しくなった。。。
そこで、堂守は塚を造って、ムジナを手厚く葬りました。

これが、瑞泉寺のムジナ塚のお話です。深酔いは禁物ですね。。。

◆どこも苦地蔵の話(瑞泉寺)Jizou
もう一つ瑞泉寺から。瑞泉寺の本堂の左脇に小さな地蔵堂があります。中にまつられているのが「どこも苦地蔵」というお地蔵さん。このお地蔵さんには、こんなお話が伝わっています。

むかし、瑞泉寺に堂守が住んでいましたが、あまりにも寺の生活が苦しいので逃げ出そうと考えていました。すると、ある晩、堂守の夢枕にお地蔵さんが立って、「どこも苦、どこも苦。。。」と言いました。
この世の中、どこへ行ったって苦しいのは同じこと。同じ苦しいなら、今の仕事をもう少し続けてみよう。そう思い直した堂守は、逃げるのを思いとどまって寺に残りました。

というお話。先日、このお地蔵さんの前を通りかかると、女性が2人で話していて、「どこへ行っても苦しい今の時代に、とてもタイムリーなお地蔵さんだね。」と言っていました。
未曾有の不況と言われるこの時代。
「苦しいのはあなただけじゃないよ。」
訪れる参拝客に、お地蔵さんがそのように言っているように思えてきました。

◆タヌキが建てた山門の話(建長寺Sanmon
最後に、もう一つ、タヌキがでてくるお話。
鎌倉のお寺の建物は、地震や戦火、失火により度々失われ、その度に再建されてきました。現在の建長寺の山門(禅寺の場合、「三門」ともいう)は、江戸時代の安永4(1775)年に、第二百一世の万拙碩誼(ばんせつせきぎ)和尚の下で再建されたものですが、この再建にあたっては、僧侶が諸国を勧進して歩き、資金を捻出したのだそうです。
このことが、次のようなタヌキ和尚の話を生みました。

その昔、建長寺の裏山の林に、古タヌキが棲みついていました。ある時、建長寺の和尚は山門を再建したいと願ったのですが、老いて諸国に勧進(お金集め)の旅に出ることができませんでした。そこで永年境内に住まわせてもらったお礼に、タヌキが和尚の姿に化けて旅に出ました。
タヌキはあちこちで「拙僧は鎌倉建長寺の僧だが、山門再建のためご寄進を願いたい」と言って寄進を受け、大金を集めました。しかし、いくら立派な坊さんに化けてもタヌキはタヌキ。飯を食えば米粒を畳にぶちまける、風呂に入れば尻尾があるのを家の下働きの女に見られるといった具合で、旅を続けてしばらくすると、建長寺の勧進和尚はタヌキだという噂が立ち始めます。
ある日、タヌキ和尚が青梅街道で駕籠(かご)に揺られているとき、タヌキ和尚の噂を聞いていた駕籠屋が和尚に犬をけしかけました。しばらく匂いを嗅いでいた犬が突然、和尚の首に喰らいつくと、あっけなくタヌキ和尚は死んでしまいました。和尚の死体は見る見るタヌキの姿に変り、駕籠の中には金三十両と銭5貫200文が残っており、このお金は建長寺に届けられました。

人様のお役に建ちたいとがんばったタヌキ和尚、なんだかかわいそうですよね。ちなみにこのタヌキ、寄進を受けたお礼に書や絵を描いたらしく(尻尾で描いた?)、あちこちの宿場に描いた絵がの残っているのだそうです。


鎌倉のユニークな伝説、ベスト3は、
1位 : タヌキ和尚のお話
2位 : ムジナ塚のお話
3位 : どこも苦地蔵のお話
ですかね。

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