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2009/01/24

2月の鎌倉 おすすめ散策コース 風待草の咲く頃

Tenjin Ume_2

今年は例年より梅が早咲きのよう。凛とした寒さの中で凍えながらも、ちらほらと早咲きの紅白の花が咲き始めています。
梅には「春告草」や「風待草」の和名があります。いずれも春の到来を告げる草の意味ですが、とても響きが美しいですね。
この寒さでは、春風が吹くのは随分と先のことのように思えますが、木や花は人間以上に環境や季節の移ろいを知っているもの。春は意外と近くまでやってきているのかも知れません。

さて、2月のおすすめ散策コースとして鎌倉の梅の名所をご案内しておきましょう。

まずは、鎌倉駅から「大塔宮」行きのバスに乗り、終点のひとつ手前の停留所「天神前」で降りてみましょう。ここには、日本三大天神のひとつに数えられる荏柄天神が祀られています。天神様ですから、ご祭神はもちろん菅原道真公。
道真公といえば、次の和歌がすぐに思い浮かびますね。

 東風吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな

ライバルの藤原氏に陥れられ九州太宰府に左遷されていく日に、
「たとえ私が都にいなくなっても、春が訪れたらちゃんと花を咲かせるのだぞ」
と、自邸の梅に語りかけた悔しさと寂しさが胸を打つ有名な歌です。荏柄天神にも道真公の供養のため、社殿両脇に紅白の梅が植えられています(写真左)。

なお、道真公の歌ほどは有名ではありませんが、歌人将軍実朝(三代将軍・源実朝)にも、同じような歌があるのをご存知でしょうか。

 出でていなば 主なき宿と なりぬとも 軒端の梅よ 春を忘るな

右大臣拝賀の式に出掛ける直前に屋敷の庭の梅の木を詠んだ歌ですが、拝賀参列後、実朝は暗殺され、帰らぬ人となりました。実朝は自らの運命を予感し、道真公の歌になぞらえてこの和歌を詠んだのです。

さて、荏柄天神から鎌倉宮の前を通り、次は、瑞泉寺まで足をのばしてみましょう。
瑞泉寺は、別名「鎌倉の花の寺」。四季を通じて花が絶えることのないお寺ですが、最もよいのが、2月下旬から3月中頃の梅の季節。
山門入ってすぐの梅林もさることながら、やはり美しいのは本堂前の参道に沿って植えられた白梅(写真右)。お寺の甍と梅の花のしっとりした美しさの中で心に安らぎを覚えるとともに、もう間もなく訪れる本格的な春に、期待で胸が膨らむような思いがします。


ちなみに2月は「如月」ですが、「如月」といえば西行法師の、

 願わくば 花の下にて 春死なん その望月の 如月の頃

ですね。しかし、旧暦の「如月」は、新暦の3月から4月上旬にあたります。言うまでもなく、この歌の「花」は西行がこよなく愛した桜ですから、お間違えなきよう。

◆梅薫る早春の鎌倉を歩く
http://homepage3.nifty.com/kamakurakikou/bkikou17ume.html

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