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2007/03/03

瑞泉寺の庭園

鎌倉最奥の地、紅葉が谷の深い谷戸にたたずむ瑞泉寺。自然に恵まれ、早春の梅や水仙に始まり、四季折々の花が咲く鎌倉の花の寺。
この季節、梅がとても綺麗な瑞泉寺ですが、瑞泉寺に行ったらぜひ見ていただきたいのが、本堂裏手にある夢窓疎石作庭と伝わる庭園です。

疎石は、後醍醐天皇から後土御門天皇まで七代の天皇からそれぞれ夢窓・正覚・心宗・普済・玄猷・仏統・大円という国師号を授かり、「七朝帝師」(七代の天皇の師)と呼ばれる人物。この時代の宗教・思想界をリードすると同時に、時には政治的にも重要な役割を果たしました。
一方で、疎石は、作庭家としても素晴らしいい才能を発揮し、京都の天龍寺や西芳寺(苔寺)の庭など多くの禅の庭を作りました。

さて、瑞泉寺のこの庭を始めて見たときの人の反応は一体どのようなものでしょうか。崖の岩肌には大きな洞窟が掘られており、崖下の池には水草が生え、早春には池に住むカジカ蛙の小鳥のような鳴き声が聞こえます。

庭は永いこと泥に埋もれていて、昭和44年古絵図を元に掘り起こしたところ、橋や排水溝、滝などがほぼ絵図どおりに現れたのだそうです。

Zui


「これが庭なのか?」。もしかすると、この庭を初めて見た人の典型的な反応はこのようなものかも知れません。一見すると、打ち棄てられた庭園の遺構のようにも思えるからです。
しかし、よくよく観察すればそれほど広くはないスペースに、深山から流れ出た河が大海へと注ぎこむような大自然の縮図がそこにあるようにも思えます。

岩肌を彫刻刀で削ったかのような箱庭のような空間に大自然が内包されていると気づいて喜んで帰る人もいれば、気づかずがっかりして帰る人もいるでしょう。

無駄なものを限りなく削ぎ落とすことで、逆に限りなく壮大なものを表現する。後年、疎石が京都の天龍寺や西芳寺(日本初の本格的枯山水を造った)で表現したもののエッセンスはすでにこの庭にあるのかも知れません。

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コメント

こんばんは。
なるほど、富士山の噴火で埋もれてたのですか・・・。

庭というのは芸術作品ですからね。その意味で、瑞泉寺はあまりにも自然と一体化しすぎているように思います。まあ、それが山に囲まれた鎌倉という土地ならではの、京都との違いなのかもしれませんけど。
私はどうしても、禅の庭というと龍安寺を思い浮かべちゃいますね。

投稿: morikawa(管理人) | 2007/03/07 23:36

今日見ていた雑誌に富士山の噴火で埋もれていた・・
みたいに書いてありました。
ここはやはり「禅」の雰囲気ですね。私は、天竜寺の
庭みたいないわゆる庭っぽいのが好きですけど、
瑞泉寺の山に囲まれたたたずまいは、なんか
思索にぴったりという感じです。

投稿: itsumohappy | 2007/03/07 00:30

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